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生前贈与の落とし穴。110万円の基礎控除額だけじゃない注意点。

相続対策

相続通信vol.9

生前贈与の落とし穴。110万円の基礎控除額だけじゃない注意点。

 

生命保険を利用して相続対策をお考えのお客様からこのようなご質問を頂戴致しました。

『親から子へ毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与をする場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか。』

生命保険を利用して、賢く生前贈与の基礎控除額の110万円の枠を使って、節税しながら相続対策をするのは人気のスキームです。

なぜ人気かというと、節税しながら資産を増やすことも可能で(解約返戻金が100%以上のものに加入)、保険期間中であれば当然ですが、保険ですので保障も付くからです。

ということで、人気の生命保険の生前贈与ですが、毎年保険料を親が負担することになりますので、このように毎年贈与を子が受ける場合は少し注意が必要です。

ポイントは、1年ごとに贈与を受けると考えるのか、それとも定期金を受け取る権利を贈与されたと考えるのか、です。

いわゆる連年贈与ということになりますが、今回は連年贈与について説明します。

 

ここで冒頭の質問に戻ります。「親から毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか?」の質問に対する答えとしては、

A.「各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません」となります。

ただし、ここからが連年贈与のポイントです。

10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることが、贈与者との間で約束されている場合には、1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、約束をした年に、定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかりますので申告が必要です。

 

相続対策の連年贈与の注意点

 

では、実際に連年贈与として課税されることはあるのでしょうか?

 

まずは契約形態ですが、例えば、最初の契約時に「毎年100万円を20年間にわたって贈与する」という契約をしたのであれば、20年間で2,000万円の贈与をすることが決まっていますので、定期金に関する権利の評価として課税されることになります。

 

では実際の実務で厳密な取り扱いをしたらどうなるのでしょうか?

仮に毎年100万円を20年間に渡って贈与する計画を立てて実行した場合で考えてみます。

例えば10年経過した時点で連年贈与と認定された場合ですが、この場合には贈与税はすでに時効(正確には除斥期間といい、贈与税の除斥期間は6年です)となっていますので贈与税は課税されませんし、残りの10年間についても課税されません。

 

また、仮に10年経過した時点で相続が発生した場合ですが、生前贈与加算の対象となりませんので相続税は課税されず、残りの10年間の未贈与部分については債務控除の対象になることになります。

 

このように実務で厳密に取り扱おうとすると不合理な結果となります。

そのため連年贈与として課税されることは、非常に稀なケースになると思います。

 

次に一般的に行われる「100万円を贈与する」という契約を年に1回行った場合ですが、基礎控除額110万円以下であるため、贈与税はかかりません。

 

仮に「100万円を贈与する」という契約を毎年行ったとしても、その都度契約していれば定期金に関する権利として課税する根拠にはならないと思われます。

 

そもそも100万円の贈与を何年間行うのかもわからないため、課税を行うとしても計算が不可能になります。

仮に10年間続けたとしても、たまたま「100万円を贈与する」という単発の贈与契約を10回繰り返しただけということになります。

 

とはいえ、ご心配な方は、税務署側から連年贈与として指摘されないためにも、その都度、毎年、贈与契約書を作成するなど、注意をした方がよいでしょう。

 

税務署に指摘されてから連年贈与でないことを立証して、税務署を説得するよりも、そもそも指摘されないで済む方が良いに決まってますので。

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